微妙に使いどころのなさそうなミニコントをまとめております。

・みつごのあにきはなまいきだ。 (何かがどうにかなって黄色のAV鑑賞現場に青いのが乱入)
 眼鏡の青いの:武彦(兄) 眼鏡の黄色いの:詠人(弟)

 何気なく、武彦の肩に寄り掛かった。詠人にとっては本当に、何の他意もなく、ちょっとくたびれたのでひじ掛けにひじでも置こうと思ったくらいの気安さで、肩に頭をのせたのだった。
「エイト君」
「……なんだい」
「あえて断っておくが、私は美人が好きなんだ」
 沈黙を無理解と解釈した武彦は、ゆっくりと詠人に顔を向けた。
「言い方を変えよう。私は君の容貌と肉体に小指の爪ほども魅力を感じないんだ。君がすこぶる欲求不満で血を分けた兄にすら劣情を抱くほど肉欲に飢えていたあまりに、へたくそな色目を遣ってきたのだとしても、哀れに思えど情が移ることは決してないのだ。悪く思うな、エイト君。私のバベルの塔は美人の御業によってのみ築くことができるのだよ。……その代わりと言っては何だが、ほら」
 彼は財布から札を何枚か出して、詠人によこした。
「暴言の詫び金を渡す前に、まず口頭で謝罪してほしいね」
「なんのことだい? それは君に貸すだけだよ」
「君に借りるほど生活には困っていないけど」
「はっはっは! 意地を張るなよエイト君! たまには春を触ってきたまえよ!」
「…………………………」

2018.03.17

・我、林檎(apple)を所望す。(サクヤ)

 サミュエルは冷蔵庫からリンゴを一つ出して、咲也に渡した。

「なに?」
「皮むいて」
「知らねーし。自分でむけばいいじゃん」
「嫌だよ。手切ったら怖いもん」
「じゃあ食べるの諦めたら?」
「食べたいからキミに言ってるんだろ?」

 咲也は仕方なく包丁を手に取った。数分後、彼は律儀にりんごの表皮だけむいたものをサミュエルによこした。身をあらわにした、まだ丸いままのリンゴの軸をつまんで、サミュエルは不服気に頬をふくらませた。

「あのさあ……サクヤ……」
「知らねーよ。それで文句あんなら自分でやれよ」

 サミュエルはしぶしぶ、りんごにかじりついた。

2019.10.10