「三つ子の恋愛事情」

 詠人は部屋の扉を開けた。  兄は制服のまま、絨毯の上に転がって、すやすやと寝息を立てていた。お気に入りの羊の枕にしがみついて、よく眠っている。 「晩ご飯、そろそろできるってさ」  詠人は兄に声をかけたが、返事はない。頬 […]

「慈愛のスピリット」

◆ハジメマシテ  男には賢者タイムなるものがある。しかし私のうなじに頬をすり寄せて、ねーねーちゅーちゅーと鳴く生き物にとっては、まったく無縁のものであるようだ。  私の背中にくっついて鳴くこの生き物は、桃園詠人と呼ばれて […]

「悪魔の子作り」

※本作品にはR-18程度の性的表現が含まれます。18歳未満の方は閲覧をお控えください。 「では、私から話そうか」  互いに探り合うようなしばしの沈黙の後、そう口火を切ったのは、青い眼鏡の紳士だった。誰からも異論の出ないの […]