「御曹司の特権」

◆保護  着の身着のままで私は家を飛び出した。  雲間から三日月が顔を出していた。友人の家にお邪魔しようかと思ったが、財布も取らずに来たので電車にも乗れない。結局私は、あてどもなく歩いていた。  すっかり夜の帳は下りて、 […]

「落ちこぼれバラード」

◆虹谷少年  ああ、そうそう。その事件のあった頃、つまり、謹慎を食らった私の代わりに、エイト君が生徒指導室で缶詰になっていた頃だね。  私はエイト君と入れ替わるような格好で、彼になりすまして隣のクラスにいたわけなんだけど […]